窓口や待合スペースの「待ち時間」は、利用者の満足度に大きく影響しています。
たとえば、病院やクリニックの場合、利用者が不満を感じる原因のナンバー1が「診療までの待ち時間(23.9%)」です。[注1]
しかし、毎日多くの利用者が訪れる官公庁やクリニックの場合、待ち時間を物理的に減らすのは困難でしょう。
そこで注目を集めているのが、「物理的な待ち時間」ではなく「感覚的な待ち時間」を減らす取り組みです。
利用者が順番待ちの時間を「長い」と感じる心理的要因を分析すれば、「感覚的な待ち時間」を減らし、より快適に施設を利用してもらえるようになります。
この記事では、利用者が順番待ちの時間を「長い」と感じる心理的な要因や、「感覚的な待ち時間」を減らすためのポイントをわかりやすく解説します。
目次
順番待ちの時間を「長い」と感じる3つの心理的な原因
そもそも、なぜ順番待ちの時間を「長い」と感じるのでしょうか。たとえば、同じ30分の時間でも、なにかをしているときと順番待ちをしているときでは時間の長さの感じ方が違います。
ここでは、順番待ちの時間を「長い」と感じる3つの心理的要因を解説します。
1. 「なにもしないで過ごす時間」は長く感じやすい
待ち時間が苦痛に感じられる心理的要因として、「なにもしないで過ごす時間」は長く感じやすいという点が挙げられます。
同じ長さの時間でも、なにかをしている時間と、なにもせず手持ち無沙汰の状態の時間では、後者のほうが体感の時間が長くなります。また、なにもしていない時間は「待たされ感」を感じやすく、不満やストレスの原因になることがわかっています。
こうした心理的要因から、なにもすることがない順番待ちの時間は長く感じやすく、不満やクレームの原因にもなっています。
2. 「本来のサービス以外の時間」は長く感じやすい
同様に、「本来のサービス以外の時間」も長く感じやすいことがわかっています。
たとえば、レストランを利用するとき、食事の時間を長く感じる人はほとんどいないでしょう。しかし、席が空くのを待っている時間や、会計を待っている時間は心理的に長く感じるものです。
窓口や待合スペースでも、本来のサービスを受けている時間は短く感じられますが、その前後の待ち時間は長く感じやすくなっています。
3. 「どのくらい待つのかわからない時間」は長く感じやすい
3番目の心理的要因として、「どのくらい待つのかわからない時間」は長く感じやすいというものがあります。
待ち時間の長さが不確定の場合、待っても待っても自分の順番がやってこず、通常よりも待ち時間が長く感じられます。
そのため、バス停ではバスの到着予想時刻を表示したり、待ち行列の途中で推定待ち時間の立て札を出したり、待ち時間のおおよその目安がわかるような工夫が行われています。
役所や医療機関の待ち時間対策では、こうした利用者の心理を分析し、待ち時間が「長く」感じられる原因を取り除くことが大切です。
「物理的な待ち時間」よりも「感覚的な待ち時間」を減らそう
役所や医療機関では、毎日多くの利用者が窓口や待合スペースを利用します。そのため、利用者の人数を調整し、「物理的な待ち時間」を削減するのは限界があります。
そこで、「物理的な待ち時間」ではなく、「感覚的な待ち時間」の削減に向けて取り組みましょう。
前項で述べたように、同じ時間でも状況によって感じ方が違います。利用者が待ち時間を長く感じる原因を解消し、感覚的な待ち時間を減らせば、物理的な待ち時間が発生しても顧客満足度が低下しません。
利用者からの苦情やクレームにお悩みの場合は、利用者に「待たされているという実感」を与えないよう対策を考えましょう。
順番待ちの時間を「短く」感じてもらうための2つの対策
それでは、「感覚的な待ち時間」を減らし、順番待ちの時間を「短く」感じてもらうには、どのような対策が効果的なのでしょうか。
ここでは、役所や医療機関などで役立つ2つの待ち時間対策を紹介します。
1. 待合室で快適に過ごせるような配慮を
同じ長さの時間でも、「なにもしないで過ごす時間」はより長く感じられます。そこで、待合スペースで利用者が暇をつぶし、快適に過ごせるような工夫をしましょう。
居心地のよい待合スペースにするには、次のような工夫が効果的です。
- ・最新の雑誌や情報誌を設置する
- ・タブレットを設置する
- ・テレビを設置し、番組を流す
- ・ウォーターサーバーや自販機を設置する
- ・子供向けのキッズスペースを用意する
利用者が「なにかをしている」状態を作り出すことで、感覚的な待ち時間を短縮し、順番待ちのストレスを軽減できます。
2. 受付発券機や番号発券機を導入する
「受付発券機」「番号発券機」とは、整理券を発券し、順番待ちの整理を行うシステムです。
発券機によっては、外部のWebサイトでリアルタイムに混雑状況をお知らせできます。利用者があらかじめ混雑状況を知り、待ち時間を別のことをして過ごせるため、心理的な待ち時間を削減できます。
たとえば官公庁向けの発券機なら、窓口の混雑状況のほか、周辺の出張所などの施設の混雑状況をMAPにまとめて表示することもでき、利用者がより正確な情報を確認できます。
また、呼び出し時間が近づくと、スマホや携帯電話への通知を行う機能もあるため、利用者は待ち時間のおおよその目安を知ることができます。
役所や公共施設のほか、発券機はクリニックの待ち時間対策にも向いています。
発券機は設置が簡単で、30分~1時間で設置完了するため、はじめて導入する方でも安心です。短納期での納品も可能なため、最短3週間で発券機を設置・運用開始できます。
待ち時間を長く感じる心理を知り、「感覚的な待ち時間」の削減を!
同じ時間でも「順番待ちの時間」をより長く感じるのは、背景に心理的な原因があります。
毎日多くの利用者が訪れる役所や医療機関では、利用者の数を調整し、「物理的な待ち時間」を削減するのは困難です。そこで、待ち時間を長いと感じる心理を分析し、「感覚的な待ち時間」の削減に取り組みましょう。
待ち時間対策として有効なのが、「受付発券機」「番号発券機」です。
利用者がリアルタイムに混雑状況を知ることができるため、来院や来庁のタイミングを調整したり、待ち時間を別の場所で過ごしたりして、体感的な待ち時間を削減できます。
ネコの目で混雑・待ち時間対策をしたい方は、ぜひご検討ください。
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