テレビや新聞などで、「3時間待ちの3分診療」という言葉が使われることがあります。厚生労働省の「令和2年受療行動調査」によると、外来患者の不満の原因の第1位が「診察までの待ち時間(23.9%)」でした。[注1]
実際には病院での待ち時間は減少傾向にありますが、待合スペースの混雑緩和は依然として大きな課題です。この記事では、患者に「病院の待ち時間は長すぎて限界!」と感じさせないため、待ち時間短縮に向けた取組み内容や事例を紹介します。
目次
病院で待ち時間が生まれる3つの理由
そもそも、なぜ病院で待ち時間が生まれるのでしょうか。
病院の待ち時間対策のため、まずは待合スペースの混雑が発生する3つの原因を知りましょう。
患者が来院する時間が重なる
病院やクリニックで待ち時間が生まれるのは、患者が来院する時間が重なり、待合スペースが混雑するためです。
病院のオペレーション能力に対し、来院する患者の絶対数が多いほど待ち時間が長くなります。
また、診療科によっては花粉症の時期やインフルエンザの時期など、繁忙期の際に一時的に来院数が増加し、待合スペースが混雑するケースもあります。
待ち時間を短縮するには、患者が来院する時間を集中させないような仕組みを導入し、待合スペースの混雑を分散する必要があります。
点数計算が複雑で会計に時間がかかる
病院での待ち時間は、「診察までの時間」のほかにも「会計までの時間」があります。
診療報酬の点数計算には一定の時間を要するため、患者の絶対数が多い場合は、会計に時間がかかり患者を待たせるケースもあります。
「病院は混雑しているものだ」という心理が働く
病院で待ち時間が生まれる背景として、「病院は混雑しているものだ」という患者の心理的要因も挙げられます。
待合室が混雑していても「病院は混雑しているものだ」と考えた結果、他の病院に行ったり、別の曜日や時間帯に出直したりせず、そのまま待合室に滞留する患者が少なくありません。
こうした患者に対しては、病院の混雑状況をなんらかの方法で可視化し、比較的空いている曜日や時間帯を事前にお知らせする仕組みが必要です。
予想される病院での待ち時間はどのくらい?待ち時間のボーダーラインを解説
患者が診療等を受けるまでの待ち時間は、毎年厚生労働省が「受療行動調査」で調査を行っています。
令和2年(2020年)の調査によると、病院全体での待ち時間は次のような状況です。[注1]
診療等までの待ち時間の平均 | |||||||
15分未満 | 15分~30分未満 | 30分~1時間未満 | 1時間~1時間30分未満 | 1時間30分~2時間未満 | 2時間~3時間未満 | 3時間以上 | |
病院の比率 | 27.9% | 25.8% | 20.9% | 10.1% | 6.4% | 3.6% | 1.80% |
一般的に、診療までの待ち時間の許容範囲は、比較的規模が大きな病院で1時間、クリニックで50分程度とされています。
厚生労働省の調査でも、待ち時間が1時間未満の病院の割合は、全体の74.6%に達しています。
待ち時間の限界は50分〜1時間程度と想定し、ボーダーラインを超えないよう待合スペースの混雑対策を実施しましょう。
患者を限界まで待たせない!病院の待ち時間短縮に向けた取組み事例
患者を待合スペースで待たせすぎないため、待ち時間短縮に向けた取組みを実施しましょう。
ここでは、実際に病院やクリニックで実施された取組み事例を紹介します。
受付番号発券機を活用し、混雑状況を可視化する
神奈川県の耳鼻咽喉科の事例では、受付番号発券機を導入し、混雑状況を可視化することで病院での待ち時間を短縮しました。
インターネットにつながる受付番号発券機なら、待合スペースだけでなく、WEBサイトから混雑状況をリアルタイムに確認できます。
インターネットで混雑状況を調べ、空いている時間帯に来院する患者が増えたため、待ち時間の減少につながりました。
とくに耳鼻咽喉科への来院が増える花粉症のシーズンにおいて、受付番号発券機が大きな効果を発揮しています。
予約システムを導入し、患者を空き時間に誘導する
東京都の内科・循環器クリニックの事例では、インターネット予約システムを導入し、患者を空き時間に誘導することにより、病院での待ち時間を短縮しました。
予約システム上、時間帯ごとに予約件数が表示されるため、患者数の少ない枠がひと目で分かります。
来院予定がある患者の場合は、患者数の少ない枠を事前に予約してもらうことにより、病院での混雑を分散することに成功しました。
病院の待ち時間の問題は「仕組みで解決」する
これまで述べてきた通り、病院の待ち時間問題を解消するにはITシステムを導入し、病院での混雑状況を可視化することが大切です。
患者が事前に病院の混雑状況を調べられる仕組みを用意すれば、患者自身が混雑を避け、比較的空いた曜日や時間帯を狙って来院するようになります。
その結果、待合スペースに滞留する患者が減少し、余裕を持って診療・会計を行うことができます。
実際に受付番号発券機を活用した取組み事例では、混雑状況をリアルタイムにインターネットで確認できる仕組みを用意した結果、待合スペースの混雑を分散できました。
病院やクリニックによっては、待ち時間対策として受付窓口のオペレーションの効率化や、医師・看護師などの人員増に取り組むケースもあります。
しかし、待合スペースの混雑を短期間で解消したい場合は、ITシステムの導入が効果的です。
受付番号発券機を始めとしたITシステムを導入し、待合室問題を「仕組みで解決」することを目指しましょう。
病院で待ち時間が生まれる理由を知り、システム導入で待ち時間問題の解決を!
病院での待ち時間は、「診察までの時間」「会計までの時間」の2種類があります。
病院での待ち時間を解消するには、待合スペースの混雑が生まれる原因を知り、患者が来院する時間が重ならないよう混雑を分散する仕組みを導入することが大切です。
病院の待ち時間問題の解消なら、「ネコの目」の導入をおすすめします。
受付番号発券機には、ホームページなどで混雑MAPを表示する機能があるため、患者が混雑状況を確認し、空き時間を狙って来院するようになります。
受付番号発券機は30分〜1時間程度で設置できるため、初めての方でも簡単に導入できます。
短納期も可能で、操作の説明会の実施や運用開始時の立ち会いも行っておりますので、システム導入が初めての場合も安心です。
ネコの目で混雑・待ち時間対策をしたい方は、ぜひご検討ください。