
目次
順番待ちシステムをクラウドで最適化:発券機導入で得られる5つの効果
順番待ちシステムの基本と発券機の役割
順番待ちシステムとは、施設の窓口や受付での混雑を可視化し、来訪者の待ち時間を管理・短縮するための仕組みです。特に、病院、薬局、役所など人の出入りが多い施設では、待ち時間の「見える化」と「分散化」が求められており、その中核を担うのが発券機です。
従来の発券機は、受付でタッチパネルを操作し、番号札を発行するスタンドアロン型が主流でした。来訪者はこの番号札を基に、自分の順番を待ち、モニターに表示される呼び出しを確認するという運用が一般的でした。
しかしながら、施設側では「番号での管理ができるが、リアルタイムな対応や柔軟な情報発信が難しい」「待ち時間や混雑状況の問い合わせ対応が業務を圧迫する」などの課題が表面化していました。このような背景から、現在ではクラウド型の順番待ちシステムが注目を集めています。
クラウド型システムでは、来訪者がスマートフォンから自分の順番を確認したり、LINEなどのSNSを通じて呼び出し通知を受け取ったりすることが可能です。また、施設側は一元的な管理画面からリアルタイムで状況を把握・操作でき、番号札の再発行、順番の転送、不在対応などの多機能な制御が行えるのが特徴です。
このように、発券機は単なる「紙を出す機械」から、順番の管理と情報発信を担うインターフェースへと進化しており、順番待ちシステム全体の要ともいえる存在となっています。
クラウド型発券システムとは何か
クラウド型発券システムとは、発券機と受付システムをインターネットを介してサーバーと接続し、情報を一元管理・運用できる順番待ち管理の仕組みです。従来のスタンドアロン型(単体運用)とは異なり、リアルタイムでの情報更新や遠隔操作、外部デバイスとの連携を実現します。
たとえば、来庁者が受付端末で発券操作を行うと、その番号はクラウド上のデータベースに即時記録され、施設内のモニターや職員用のタブレット、そしてエンドユーザーのスマートフォンまで連携されます。来庁者は、QRコードを読み込むだけで、自分の順番や待ち人数をスマホで確認できます。
また、Web受付やLINE通知サービスといった機能を併用することで、施設に到着する前に受付を完了し、混雑状況を確認した上で来訪時間を調整することも可能です。これにより、来庁者の分散化や待ち時間の短縮が実現され、職員の対応負担も大幅に軽減されます。
さらに、クラウド型であるため、複数の発券機や窓口をまたいだ番号共有が可能になります。たとえば、ある市役所では、戸籍課と保険年金課が同じシステム上で番号を管理し、それぞれの呼び出し操作ができるように運用されています。このような柔軟な連携は、従来のシステムでは難しかった利点のひとつです。
弊社が提供する「ネコの目」クラウド受付システムも、このようなクラウド型のメリットを活かし、発券機を含む多様なデバイスを連携させながら、順番管理と情報発信を最適化する仕組みを提供しています。
クラウド発券機で得られる5つの導入効果
クラウド型順番待ちシステムに対応した発券機を導入することで、施設運営における様々な改善が見込めます。ここでは、弊社の「ネコの目」システムをベースに、5つの主要な導入効果をご紹介します。
① 問い合わせ対応の削減
クラウド型発券機では、来訪者自身がスマートフォンで待ち人数や自分の番号の呼び出し状況を確認できます。
これにより、「あとどれくらいですか?」「順番が過ぎていませんか?」といった問い合わせが大幅に減少します。
例えば、N耳鼻咽喉科様では、導入後に問い合わせがほぼゼロになったという実績があります。
② 待ち時間のストレス軽減
順番をスマホで確認できるため、来訪者は待合室を離れて買い物や外出をしながら順番を待つことが可能です。
これにより、待合室の密を避けながら、ストレスを感じずに過ごせる空間が提供できます。
Y皮膚科様では、視覚的な情報提供による安心感が患者様に好評でした。
③ プライバシー保護
従来のように名前で呼び出す必要がなく、番号での案内が可能になります。
特に薬局や病院では、患者様のプライバシーへの配慮が強く求められるため、番号呼び出しによる安心感が評価されています。
K薬局様では、この仕組みによって患者様の不安が軽減されたという声が寄せられています。
④ 業務効率の向上
呼出操作がタブレットやモニターから一元的に管理できるため、スタッフの業務負担が大幅に軽減されます。
呼び出しのミスや確認の手間も削減され、調剤・案内業務に集中できるようになります。
Kクリニック様でも、業務の効率化とクレーム対応の減少が実感されています。
⑤ 混雑状況の「見える化」と混雑分散
クラウド連携により、Web受付や混雑情報の公開が可能となります。
その結果、来訪者が空いている時間帯を選んで来庁・来院するようになり、混雑の平準化・密の回避につながります。
M区役所様では、LINE通知や自動混雑カレンダーと併用し、来庁時間の分散に成功しています。
このように、クラウド型発券機の導入は、単なる受付改善にとどまらず、顧客満足度・業務効率・感染症対策・プライバシー配慮といった多方面への貢献が期待できます。
導入現場から見る具体的な効果:リプライス導入事例
弊社リプライスが提供する「ネコの目」クラウド型順番待ちシステムは、医療機関や行政機関を中心に多くの施設で導入されており、混雑緩和・業務効率化・顧客満足度向上といった効果をもたらしています。ここでは、実際の導入事例をもとに、クラウド発券機の効果を具体的にご紹介します。
N耳鼻咽喉科様(東京都大田区)
電話や窓口での「あと何人待ち?」という問い合わせが多く、職員の業務を圧迫していたことが導入のきっかけでした。「ネコの目」導入後は、待ち時間がスマホで見えるようになり、問い合わせはほぼゼロに。
患者様自身も「状況がわかるので安心して外出できる」と好評です。
Y皮膚科様
高齢の患者様が多く、待合室での長時間滞在が負担となっていました。発券後に自分の順番をスマートフォンで確認できるようになったことで、外出後の戻り忘れも減少。
また、視覚的な混雑状況の提示により、ストレス軽減や座席の有効利用にもつながりました。
K薬局様
名前での呼び出しによるプライバシーの問題、広い待合室での声掛けの困難さといった課題がありました。「ネコの目」導入後は、番号での呼出によりプライバシーが守られるようになり、患者様の安心感が向上。
スタッフも発券後の流れが可視化されたことで、案内ミスが減り、業務に集中できる環境が整いました。
M区役所様(戸籍課・保険年金課)
従来の混雑予測カレンダーでは実際の状況とのズレが課題となっていました。「ネコの目」導入により、リアルタイムでの混雑配信が可能になり、来庁時間の分散が実現。
LINE通知やWeb受付機能との連携で、市民の利便性も大きく向上しました。
これらの導入事例からもわかるように、クラウド型発券機は単に待ち時間を管理するだけでなく、「不満の見えない要因」を可視化し、施設全体のサービス品質を向上させる鍵となっています。
発券機の導入時に検討すべきポイント
クラウド型の順番待ちシステムと発券機は、施設の業務効率や来訪者の満足度を大きく向上させるツールですが、効果を最大限に発揮するためには導入前の検討が重要です。ここでは、発券機導入に際して押さえるべき5つの検討ポイントを解説します。
① オンライン連携の有無
インターネットに接続可能なクラウド型発券機であれば、スマートフォン通知やWeb受付との連携が可能になります。
一方、オフライン型ではそのような拡張機能が制限されます。将来的な運用拡張を視野に入れるなら、オンライン対応が望ましいでしょう。
② 施設規模と待合スペースの適合性
小規模なクリニックと、大規模な役所では必要な機器構成が異なります。たとえば、個別番号表示モニターやフロント表示モニター、バックヤード向けモニターなど、施設の動線とスペースに応じた機器構成を検討する必要があります。
③ 利用者層とデバイス操作性
高齢者の利用が多い施設では、タッチパネルの文字サイズや音声案内、番号表示の視認性などが特に重要です。
「ネコの目」では、こうした視認性や直感操作に配慮した設計がされており、利用者ストレスの軽減につながっています。
④ 通知機能とプライバシー配慮
LINEやメールによる呼び出し通知は利便性を高めますが、番号呼び出し機能が確実に設定されていないと、個人情報の漏洩リスクがあります。
番号のみでの呼出に対応しているか、プライバシーに配慮した設計かどうかも確認しましょう。
⑤ 既存設備との連携・拡張性
既存の非クラウド型発券機にクラウド機能を追加できるか、他のシステム(電子カルテ・パーキング管理等)との連携が可能かなども検討材料になります。
弊社のシステムでは、すでに使われている発券機の活用や段階的な移行にも対応可能です。
これらの要素を事前に整理することで、システム導入後のトラブルを防ぎ、運用の安定化を実現できます。
弊社では、導入前の無料相談やカスタマイズのご提案も行っておりますので、ぜひご活用ください。

クラウド型順番待ちシステムの今後の展望
近年、デジタル化・非接触化の流れが加速する中で、順番待ちシステムも大きく進化を遂げています。中でも、クラウド型発券システムは、業種を問わず多くの施設で導入が進み、その利便性と拡張性の高さが再評価されています。
今後さらに注目されるのは、他システムとの連携による受付業務の自動化です。例えば、電子カルテや診療予約システムと連動することで、患者様が到着した瞬間に受付処理が完了し、順番管理と診察準備が並行して進むといった運用が可能になります。
また、パーキング管理や整理券発行機との連携により、施設全体の導線管理をクラウドで一括制御する構想も現実味を帯びてきています。
さらに、混雑情報をAIが解析し、未来の混雑を予測するカレンダーの自動生成など、利便性と効率性を両立した「スマート受付」への進化も期待されています。これはすでに、弊社の「ネコの目」システムでも一部導入が始まっており、混雑の平準化と感染症対策の観点からも効果が認められています。
将来的には、LINEなどのSNSやアプリとより深く統合され、来訪前から受付・案内・順番通知まで一連の流れが自動化される時代が到来するでしょう。こうした流れに対応するには、クラウドを基盤とした柔軟なシステム構成が不可欠です。
弊社リプライスでは、施設の規模や運用状況に合わせて、順番待ちシステムのカスタマイズ提案・段階導入も行っております。
単なる「発券機の置き換え」ではなく、業務改革の一歩として、クラウド型発券システムの導入をぜひご検討ください。
まとめ
クラウド型発券機と順番待ちシステムの導入は、単なる業務効率化にとどまらず、来訪者の満足度・安全性・施設の信頼性を高める重要な要素です。
「待つ」ことがストレスではなく、便利で安心な体験となるよう、順番管理の仕組みを見直す時期に来ていると言えるでしょう。
私たちリプライスでは、施設の課題や状況に応じた柔軟なご提案が可能です。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。